藤にホトトギス。

小説、漫画、アニメ、映画をこよなく愛する物書きOLのおすすめ作品紹介。

『しようぜ、復習』── 絶望センチメンタル

 今日こそはアイツに復讐しよう。公園のベンチに座ってそう決意する僕の目の前に、女子高生のお姉さんが落ちてきた。アスレチックの上から。

彼女は微笑んで言う。

 

「しようぜ、復讐」

 見知らぬお姉さんに引きずられ、僕(=小学五年生)の奇妙な旅が始まった──。

引用元:絶望センチメンタル裏表紙

 

絶望センチメンタル

絶望センチメンタル (メディアワークス文庫)   引用元:Amazon

タイトル:絶望センチメンタル
著者:朽葉屋 周太郎
出版社:アスキー・メディアワークス
発行:2011年12月26日
頁数:209p
 

あらすじ

 住宅街の片隅にある小さな公園で木製のベンチに座りながらすっかり自分の世界に入り込んでいた少年の前に、いきなり人が落ちてくる。

 正確に言えば女子高生。

 女子高生はアスレチックの上から受け身も取らずに倒れこんできた。

 そんな出会い方をした2人は、少女のこの少年面白そうという好奇心から少年が作っている『死ぬまえにやること』リストを達成するために小旅行をることになるが・・・・・・。

 

登場人物

少年

可愛げのない小学五年生。小学校でいじめられている。いじめっ子たちに復讐をしようと考えているようだが・・・・・・。

少女

破天荒な女子高生。朝の9時から公園のアスレチックで寝ていた。面白いこと大好き。色々と躊躇いのない性格をしている。

 

みどころ

少女の破天荒さ

 なんと言っても少女の破天荒さ、物騒さです。2階の窓から飛び降りてみたり、モデルガンを人に向けて打ってみたり。読んでいてハラハラした場面も何回かありました。破天荒で物騒だと思ったら、しっかりしているところもあったり。でもそこが彼女の魅力なのかなと思います。

 

少年と少女のやりとり

可愛げのない無愛想でツンツンしている小学五年生と破天荒で物騒な女子校生。2人のやりとりは少女が茶化して少年が冷たくあしらったりと割とテンポ良く話していて面白いです。小学生にはできないことが多いけど高校生にはできることが多い。少年から見た少女はそうなんだろうけど、いつの間にか少年とって頼れる存在になっているところもいいなと感じました。

 

こんな人にオススメ
  • おねショタが好き
  • ちょっと物騒な女子校生に興味ある

 

 

最後に  感想とか色々

この本を手の取ったのは、なんとなく表紙が目についたからだったと思います。あとは『しようぜ、復讐』って言葉に引かれたからってのもあるかもしれない。この本と出会ったのは、約10年くらい前になると思います。まだ高校生くらいかな?何かに絶望していたのか、誰かに復讐したいって思いがあったのかも今となってはわかりません。

当時読んだ時とは、多分考え方とか物の見方はだいぶ変わってるだろうから最初にこの本を読んだ時の感想は思い出せないのです。(笑)

今回この本を読もうと思ったのは、おねショタが見たかったから。なんでもいいからおねショタが見たかった!あと、可愛げのない小学生と破天荒な女子校生というワードにやられたっていうのもあります。そも2人が小旅行するなんて可愛いに決まってる。そう思ってこの本を読み始めました。

 

※ネタバレしないように気をつけるけど、もしネタバレしてたらごめんなさい。

読み始めた時は、可愛げがない少年の復讐を破天荒な少女がお手伝いしてあげるのかな?復讐しながら小旅行でもするのかな?なんて思っていました。読み進めると出てくる、少年のやることリスト。リスト見た時、頭の中に?が沢山浮かんじゃいました(笑)

やることリストを達成するために少年と少女は小旅行行くわけです。リストに載っていることをやってる最中、やっぱり小学五年生にはできることが少なくて、葛藤したり落ち込んだり、少女に助けてもらったりしながらリストを達成していく中で、少年が少しずつだけど成長しているところは、母と叔母目線で見てしまいました(笑) ただ、助けてくれる少女も女子校生な訳で。できないこともあるし、悩みだってある。破天荒で悩みなんてなさそうに見えるけど悩みや葛藤ってあるのに、少年に手を貸してあげてる。そんな彼女が好きだなって思いました。そして、少女にも手を差しのべてくれる人がもっと早く現れていたらよかったのにと思ってしましました。悩みは人それぞれで誰にだってあるものなんだけど、1人で抱えてどうしようもなくなる前に、手を差し伸べてくれる人がいるのって当たり前じゃないんだなと改めて思いました。